Parallel World A.A.

人間ドック

人間ドックを受けました。生まれて初めてです。生まれて初めてのことを体験するのは久しぶりです。だから、あえて予備知識なしに受けてみました。その方が、いろいろと考えることができるかなと思ったからです。

結果から言えば、思ったほどたいへんな検査はありませんでした。日帰りのコースだったからかもしれません。ドックという言葉には、何か船のように無機的に扱われるのではないかという響きがあるけど、総じて、ていねいで信頼できる感じの検査でした。

ただひとつ、バリウムを飲んでする胃の検査だけは、ドックという名前にふさわしく、まるで自分が船になったような感じがしました。うつぶせになってくださいとか、あおむけになってくださいとマイクで言われて、どっちがうつぶせで、どっちがあおむけか、わからなくなったりしました。僕はこういうのが苦手なのです。

自分の体というのは自分のものなのに、こういう検査をしていると自分のものではないような気がしてきます。頭と体が離れているような感覚を味わいます。たぶんそう思ったほうが検査をしている状態になじみやすいのでしょう。胃にむりやり流し込んだバリウムが感情に影響を与えているなどと考えていては、検査が前に進みません。

でも本当は心と体はひとつなのだろうと思います。心と体が分裂していないのが本来の姿なのだと思います。それなのに、僕の場合、体だけではなくて心さえも自分のものではないような気がするときがあります。

そうやって自分がどんどん分裂していくことは、あまりいいことではないのかもしれませんね。

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