Parallel World A.A.

クラシック

クラシック以外の音楽を聴かないというと、少し誤解されることがあります。ある種の許容性のなさのようなものを感じさせるからかもしれません。でも本当です。昔からそうだというわけではありません。でも10年くらい前からクラシック以外の音楽を聴くことはほとんどなくなってしまいました。

もちろん、子どもの頃は何でも聞いていました。どちらかと言えば人が好んで聞くような音楽が好きでした。本当にいろんな曲を録音して楽しんでいました。エアーチェックという言葉が世界に存在していた頃のお話です。FMファンという雑誌があったころのお話でもあります。でも、昔の家に何百本もあったカセットテープは、この家を建てたときに全て捨ててしまいました。

そして、しだいに聴く曲が限られてきて、気がついたらクラシックだけになっていたというのが正直なところなのです。だから他のジャンルの曲を聴いていて邪魔になるということはありません。演歌以外なら、いいなと思う曲がたくさんあります。特に、むかし聴いていた曲は懐かしさもあって、とてもいいなと思います。

でもやっぱりクラシックなのです。といっても何かをするときに流れている曲がクラシックであるというだけで、オーディオセットの前で腕を組んで、じっと聴く時間を持っているわけではありません。好みはあるけど、マニアというほどではありません。ピアノを弾くことはあるけど、難しいクラシックの曲が弾けるわけでもありません。コンサートに行って感動することはたくさんあるけど、必死でチケットを手に入れてコンサートを聴きに行くわけでもありません。

ちょっと中途半端なのです。

でも、疲れたときにクラシックを聴いて生き返ることがあります。曲のでだしを聴いた瞬間に、これは自分の世界だと思わせるような強い感情を持つこともあります。通勤途中で曲のクライマックスが来ると、しばらく車を停めて聴くこともあります。思い出すだけでそのときの至福感がよみがえるようなコンサートも、これまでにいくつか経験しました。ワインと同じで、それまでに味わった、あるいは感動した経験を細胞が憶えていて、同じような感覚が刺激されると、至福感が一気によみがえるのかもしれません。

要するに、僕はクラシックがとても好きなのですね。

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