Parallel World A.A.

ボタンひとつ

ボタンひとつで何でもできるというのは、究極の自動化です。

例えば、お風呂。

家を建ててびっくりしたことのひとつに、お風呂の進化があります。昔と違って、今のお風呂はすさまじく自動化が進んでいて、赤いボタンをポンと押せば、設定された温度で、設定された量のお湯が自動的に入ります。そして、最近の新しいお風呂というのは、どうもそれがあたりまえになっているようなのです。

昔なら、お湯の温度に気をつかったり、お湯を入れすぎないようにタイマーをセットしたりしていました。もっと昔なら火をおこすことからはじめていたことでしょう。

でも今は、ボタンひとつです。

洗濯もボタンひとつ。必要な回数だけドラムが回転して、洗いからすすぎまで、きちんと全てやってくれます。エアコンもボタンひとつ。テレビもボタン。部屋のあかりもボタン。カメラ。携帯電話。パソコン。ステレオ。

いつの間にか、僕の生活は自動化されて、ボタンだらけです。1日にいったい何回ボタンを押しているのか、わからないくらいです。

いったい、いつからこんなことになってしまったのでしょう。

そのうち、生きることも自動化されて、ボタンひとつになったりして。

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