Parallel World A.A.

忙しい毎日を過ごしています。

忙しいと、目の前にある事柄を処理するので精一杯で、毎日が同じパターンの繰り返しになります。あれもしなければ、これもしておかなくてはと考えることで頭がいつもいっぱいで、新しい事柄が浮かんできません。乗り物で言えば自動操縦のような状態になって、自分の人生を自分で操っているという、ドライブ感覚が持てなくなります。もっとひどくなると、生きているのかどうかさえ、よくわからなくなります。些細なことにイライラしたりもします。
全くよくない状態です。

忙しいと、行動のほとんどが無意識に行われるようになります。たぶん、今の生活では、95%以上の行動を、無意識に行っているでしょうね。歯を磨いたり靴を履いたりすることから始まって、難しい仕事に至るまで、頭と体が自動的に動いて自動的に判断をして、自動的に結果を出しているような感覚があります。仕事でどんなに高度な判断を求められても、瞬間的にパターンで答えを出してしまって次へ進んでいるような気がします。
全くよくない状態です。

突然、話が飛躍するのだけど、だから僕は芸術が必要だと感じています。僕が絵を描くのは、そういうよくない状態から抜け出せたらいいなと思うからです。

自動操縦ではなくて、ドライブ感覚を取り戻すためには、まず可能性が無限であるという認識を持つことが必要です。道はひとつではなくて、あらゆる方向に広がっているという感覚です。でも、いくら人生には無限の可能性があると言われても、まず具体的な可能性を思いつかなければ実現することはできません。そして、可能性を思いつくためには、想像力が必要です。で、想像力を、モンゴルの草原みたいに拡大するためには、芸術が必要だと思うのです。

芸術は、豊かな生活を送るためにあればいい、といったたぐいのものではなくて、生きていくのに必要不可欠なものではないかなと思います。芸術はゆとりではないのです。

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