Parallel World A.A.

忘れる

僕はとても忘れっぽいと人に言われます。そして、自分でもそう思います。もっとも、人との待ち合わせを忘れるというようなことはないし、仕事に差し支えるというほどではありません。でも1年くらい経つと、経験したことをどんどん忘れてしまいます。悪い出来事や嫌だったことも、本当にすぐに忘れるので、とても便利です。こんなに忘れっぽいのは、生き方が受け身的で、真剣さが足らないからかもしれませんね。それもと世の中から逃げているのかな。

人生は、特に真剣であったりする必要はないし、逃げることも大切だと思っているので、それは全くかまわないのですが、ただ、どんどん忘れていくのは何だか少しもったいないような気もします。

ひょっとしたら、悪い出来事や嫌なことを忘れるのは、自分で無意識に記憶へアクセスできないようにしているのかもしれません。もしそうだとしたら、何かの拍子にどっと思い出したら大変ですね。

まあそんなことはないと信じて、忘れることも一つの能力だと考えることにしましょう。人生の試験があるわけでもないしね。

ちなみに、僕の妻はときどき飲み過ぎて記憶をなくします。確認する僕の記憶の方が間違っているのではないかと不安になるくらい、全く憶えていないのです。たぶん記憶をなくしたのではなくて、もともとインプットされていないのかもしれませんね。

<絵:吉野川#2>

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