Parallel World A.A.

ヨーロッパへ飛行機で行く場合。

ジャンボジェット機は、平均すると1分間にドラム缶1本の燃料を消費するそうです。しかもストーブに使う灯油なんかとは比べものにならない、良質の灯油です。9時間で540本。ヨーロッパまで飛べば、大雑把に言って一人1本の割合です。安いお金でヨーロッパへ行けることは、とても嬉しいことだし、僕も少しでも安いチケットを探します。でも一方で、そんなに安く簡単に行くことができるというのは、どこかに無理があるのかも。

車で神戸へ買い物に行く場合。

たくさん買い物をするときは、車だと本当に便利です。神戸にはいいものがいっぱいあるし、楽しいし、駐車場にもそれほど困りません。でも徳島から100キロ近くも離れた街へ車で買い物に行くことが、本当にいいことなのかどうか。ガソリンを消費しながら1トン近くもある物体を操縦して行くことには、どこかに無理があるのかも。

日帰りで東京へ出張に行く場合。

飛行機が朝早くから夜遅くまで飛んでいるので、体は疲れるけど、日帰りの方が時間の節約ができて便利です。でも700キロ(くらいかな)も離れている街で用事があって、しかもそれが日帰りでできるということには、どこかに無理があるのかも。

たった一人でドラム缶1本分もの灯油を燃やしてまで地球の反対側へ行ったり、

ガソリンを消費し排気ガスを出しながら100キロも離れた街へ車で買い物に行ったり、

体に負担をかけながら、700キロも離れた街へ日帰りで出かけていって用事をしたり。

そういうことの意味を探る感受性を身につけたいと思います。

でも実は、僕は飛行機でヨーロッパへ行くのが大好きだし、車で神戸へ買い物に行くのも大好きだし、東京出張も、じっとオフィスにいるよりは、むしろ行きたいくらいです。遠くへいくのは大好きだし、車の運転も大好きです。

一方で、なんとなく身に余る感覚というのも持ち合わせています。少しでも速く、遠くへというパワー信仰や、自分の世界を広げたいという好奇心追求が、先進国の人間だけに与えられた特権だということを自覚します。

おや?自覚するだけなのかな。

<絵:communication>

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