Parallel World A.A.

乗り物

僕は乗り物が大好きです。自分が空間を移動しているという感覚がとても好きなのです。飛行機、鉄道、市電、船、自動車、バス、遊園地の乗り物、何でも好きです。地球温暖化防止に逆行するのですが、この移動する快感というのを押さえることは、とても困難です。

幸い、僕には乗り物好きに便利ないくつかの特徴があります。

まず、僕は乗り物に酔ったことがありません。これは体質でしょう。

それから、乗り物の時間に遅れそうな時に、必ず間に合うというジンクスのようなものがあります。旅行をしていて、ギリギリで間に合ったことは、ものすごくたくさんあるのだけれど、ギリギリで間に合わなかったことはほとんどありません。いいでしょう。

最後に、僕には高所恐怖がありません。一度、仕事でヘリコプターに乗って空撮をしたことがあります。ヘリのドアを上から下までガバッと開けて、床に座って足を空中に出して身を乗り出すようなかっこうで写真を撮ったことがあるのですが、とても楽しかったです。

21歳の時に、一人でオーストラリアを回ったときには、24時間くらい砂漠の中をバスで走りました。砂漠には停留所がないので、乗り合わせたいろんな国の人と、とても仲良くなりました。でも窓を閉めているのに細かな砂が入ってきて、おまけにエアコンが故障したりして大変でした。
22歳の時に中国内陸部を旅行したときには、これも24時間くらい汽車に乗って、地球的で雄大な景色を見ることができました。乾燥していて喉がいたくなりました。
33歳の時には、妻と2人でベルギーに行った帰りに、たまたまファーストクラスに乗ることができました。ジャンボジェットの2階です。たぶん最初で最後でしょうね。

コンコルドにも乗ってみたいですね。コンコルドは地球の自転より早く飛ぶので、エールフランスなら確かパリを朝10時頃に飛び立ってニューヨークには同じ日の8時頃に着くはずです。2時間逆戻りするわけです。そのまま地球を一周したらどうなるのかな。1日前に行けるわけでは、もちろんないのだけれど、ちょっとおもしろいですね。

宇宙船では、相対性理論に従って時計がほんの少しずつ遅れていくそうだけど、たぶん空間を移動するということは、ほんのわずかずつ相対的に時間を遅らせているのですね。あくまで相対的な話だけれど。

誰でも気軽に宇宙船に乗れる日が早く来ればいいですね。

<絵:駅>

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