赤に攫われて  
      


    


 夜空が赤い。
 赤を越えて、紅い。
 夜の漆黒の上の赤。
 これをこそ、紅蓮と言うのであろうか。



 その火に包まれて、
 帝都が燃える。燃え落ちる。
みごと滅びをもたらしてくれたものよ、緋色の男よ。




 感謝するぞ。
何一つ意のままにならぬ我の最後の望みを叶えてくれたことを。
 そうだ、これこそが我の望みだったのよ。
帝國の滅びを持って解放されることがな。
 見よ、もう追ってくる臣もおらぬ。
我は、ようやく一人になれた。
 王たる者が、と言うか。



 確かにな、我は王として失格であろうよ。



 あれになら……言われてもしかたない。
 異国からの使節にして献上品。極上の黒珊瑚のような……
 求めれば決して拒まず、けれど何一つ我には渡さなかった。
あれは――行ったのであろうな。この破滅をもたらした男と。





 分かっておったよ。あの赤い髪の男がこの国を滅ぼしに来たことは。
 あの緋色の髪が、どのように嬲ろうと煌めく瞳が、はっきり宣しておったわ。
 我を許さず、とな。我には、それが心地よかったのよ。




 そういう意味では似合いの二人よの。
何を命じようが決して拒まぬくせに、受け入れることもしなかったあれ……と。
 或いは、と思うたのよ。そなたなら、或いは、と。
 違っていたな。そなたもまた待つ者。我とでは、どうにもならぬ。


 そして、救いは、おまえにこそ訪れた。
 さもあろう。我の手は、汚れすぎておる。
足掻き続けて、臣下の民の血を流しすぎた。
我はここで果ててこそ救われる。


 分からぬであろうな。
頑なな黒真珠のようだったそなた。
我はおまえを愛しんでおったのよ。
ともに堕ちていこうかと。いっそ毀してしまいたいほどに。
だが……


 …………


 行くがいい。そなたの道を。あの男と共に。
この炎が手向けとなるであろうよ。
そなたへ。そなたらへ。













2003.3.6



☆ ごめんなさい。わかりにくいですね。

LA銀さまにベンのイラストいただいて、
喜んで眺めてるうち、妄想竹がにょきにょきと〜
 ベンに絡みついてるものを考えちゃったんです。
シャンクス!というのが有力ですけど、
その他にもありそうということで。
昨年アップした「紅蓮」のサイドストーリーです。
 もっとちゃんと説明入れるべきなんでしょうけど、
いや入れたいのですけど、それをやってたら、絶対春の本が仕上がりません。
 なので、ここでストップ。
次は春のお祭りが終わってから、がんばります。


 でもって、煌めく瞳のシャンクスは、こちらにいるんです〜♪


この壁紙は「トリスの市場」様からいただきました。。 

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