時は春



    



シャンクスに言われた言葉

どんなに愛してると言ったところで
おまえの不安はなくならない
おまえが自分で納得するしかないんだ

こんなに愛してるのによ
そう付け足して笑いに紛らせたが

多分それは本音


わかっている 
愛されていることなど
この身体が感じている
触れてくる手が
交わされる視線が
教えてくれる




なのに

淋しい悲しい苦しい


ずっと
淋しかった
悲しかった
苦しかった


シャンクスに出会う前はいつも
出会った後もつねに


これほどの人と共にいて この寂寥
己の強欲を嘆いたこともあったのに



今 すべては溶けていく








淋しさが無くなったわけではない
悲しみが消え去ったわけではない
苦しさは常につきまとう 

              なのに



幸せで  幸せで 
涙が止まらない


わかっている このときは一瞬だ
去った後には

それでも それでも





ああ

淋しくて
悲しくて
苦しくて

だからこそ幸せで

涙が止まらない








   時は春

日は朝
朝は七時
片岡に露みちて
揚雲雀 なのりいで
蝸牛 枝に這ひ
神、そらに知ろしめす
すべて世は事も無し

(ブラウニング)





2002.11.9



☆ 今回、思うところあって 句読点をのけてみました
「…」や「―」など つい付けたくなる記号も避けました
読みにくいかなぁ どきどき

今書いてる分の 先の先のワンシーンだけなんですが
これはWeb表示に向いてるような気がして
先に出しちゃいました 
実は アンサーSSだったりします


タイトルはもちろんブラウニングの詩です
(『春の日』)詩歌サイト「黄色いサイコロ」様より



右上の「×」を押して、お帰りください。